ハフィントンポスト
2016年 5月 30日
エマニュエル パストリッチ
http://www.huffingtonpost.jp/emanuel-pastreich/seoul-international_b_10201484.html?1464588600
ソウルでは韓国籍の児童も入学できるインターナショナルスクールの数がここ10年間に急増した。チャドウィック・スクール(Chadwick International)、ドワイト・スクール(Dwight School Seoul)、コリア・インターナショナルスクール(Korea International School)などが人気を集めており、外国籍の児童のみが入学可能な既存のソウル外国人学校やソウル・インターナショナルスクールらと肩を並べるようになった。
そこに在学する韓国人学生たちは皆、アイビーリーグ進学を希望しており、生徒や保護者から人気のある立派な施設や環境も完備している。
しかし、この優良な環境はもちろんタダではない。ソウル外国人学校の高校課程の場合、アイビーリーグ入学相談などを含む学費が、年間で約35000米ドルに達する。
ところで、人々にあまり知られていないインターナショナルスクールがソウル市東端の峨嵯(アチャ)山近くにある。プールや校庭などの施設はないが、この学校は単なる学業成就以上を望む父母たちから厚い信頼を得ている。
その名を韓国ケント外国人学校(Korea Kent Foreign School)と言い、子弟を通わせている父母たちは、学校があまり知られていない現状にむしろ満足しているという。
韓国ケント外国人学校は、アフリカや東南アジアなどの開発途上国の外交官の子弟が、既存のエリート学校から疎外されている現状を目の当たりにして心を痛めた創立者が、道徳的な原則に基づき彼らの経済状況に合わせて、教育が受けられるようにと創立したのが始まりである。
今ではケント学校は東アジアで最も多様な生徒たちが通う学校になっており、開校時の教えはキリスト教に影響を受けたものだったが、生徒の中には他の信仰を持つ生徒も多く、宗教を超えた幅広い活動を実践している。
ケント学校の施設は、簡潔かつ実用的で、訪問者を圧倒するステンドグラスや荘厳な階段などは見られない。一方で、細かい所に目を引くものがある。例えば、階段には標語が貼られており、次のような文章が書かれている。
「ちょっと待って!電気を消してください。電気を無駄遣いすれば何が起こるか分かりますね?温暖化が進んで凶作になりハリケーンも頻繁に起こります。それだけでなく動物の絶滅の危機も早まります。」
他の階段に貼られている標語には「校内食堂では残さず食べるように」といった内容が書いてある。また、学校の玄関には学校の特色を表すピンクのポスターが貼ってある。そこには「環境や様々な状況への態度を決めるのは、まさに、私たち自身だ」といった内容が書かれている。
ケントは、他のインターナショナルスクールとは性格が異なっている。 Read more of this post