「韓国は教育革新モデルを外国から探すのではなくソンビ精神活かすべき」 (中央日報)

中央日報

「韓国は教育革新モデルを外国から探すのではなくソンビ精神活かすべき」

2016年05月20日

インタービュー

 

エマニュエル パストリッチ

 

 

エマニュエル・パストリッチ慶煕(キョンヒ)大国際大学院教授(52)は韓国人よりも韓国に対する自負心が強い外国人だ。韓国文化の価値と潜在力を口がすっぱくなるほど力説して回っている。「韓国が一群の経済奇跡を成し遂げた背後には、数千年の間続いた知的伝統がある」という主張も彼の常套句だ。昨年、朴槿恵(パク・クネ)大統領が閣僚会議で言及して話題になった彼の著書『韓国人だけが知らない別の大韓民国』でも、ソンビ(朝鮮時代の学識が高く高尚な人)精神と礼学・風水など私たちの伝統文化の強みを前に出すことをはばからなかった。

18日、ソウル仁寺洞(インサドン)で会った彼は小説家・韓江(ハンガン)のマン・ブッカー・インターナショナル賞受賞の便りを話題に上げた。「韓国文化の多様性と活気に世界が注目するのは当然だ」としながら自身の「先見の明」に満足しているようだった。

--2011年出版した『人生は速度でなく方向だ』の改訂版が出版された。過去5年間、韓国人の意識にはどのような変化があったと考えるか。

「自負心という側面から両極化現象が高まった。『ヘル朝鮮』と言いながら韓国社会を否定的に見て自分を見下す人も多くなったし、伝統文化の再評価をすべきだと主張する人も多くなった」

『人生は…』は、速度に重点を置いて方向を見失った韓国社会の問題を突いた本だ。これを解決する方法として伝統文化の再解釈などを提案している。パストリッチ教授は「韓国教育の革新モデルを別の先進国から探すのではなく伝統教育から探せ。多文化社会に対する解決法も弘益思想など伝統文化にある」と述べた。 

--どんな伝統が有効だろうか。

「現韓国教育の最も大きな問題は勉強を手段として考えているところだ。供給者は金儲け道具で、需要者は就職のための資格として考えている。道徳的人生と学問的成就を強調するソンビ精神は韓国の教育体系を再建する重要な要素になりえる。昔、書堂(寺小屋のような学び舎)で千字文を教える時に使った「朗読」教育法も再確認すべきだ。知識を内面化させる一種の体験教育という点で、暗記中心の2次元教育に留まる現システムよりはるかに効果的だ。また、師匠と弟子が一生を通じて縁を持ち続けた伝統も復活させる価値がある」

 

米国ナッシュビルで生まれたパストリッチ教授はエール大で中文学を、東京大で比較文化学を勉強して中国語と日本語を学んだ。1995年、ハーバード大で東アジア言語文化学博士過程を履修中にソウル大中文学科へ研究生としてやってきて韓国と縁を結んだ。パストリッチ教授は「今後中国が台頭するだろうと考えて83年から中国語の勉強を始め、その後東アジア3国の言語にすべて通じれば東アジア比較文学の真の第一人者になれるだろうと思い戦略的に韓国語の勉強までした」と話した。また、「現在、韓国の学生にはベトナム語とインドネシア語を習っておくことが有益な未来戦略になると思う」とした。

97年、韓国人女性と結婚した彼は韓国式の名前「イ・マンヨル」を好んで使い、韓国語も流ちょうだ。だが、1男1女を韓国で育てながら「多文化家族」の苦衷を肌で体験した。「2007年からずっと韓国に住んでいる。当初は2人の子供たちを韓国の学校に行かせていたが、結局インターナショナルスクールに入れ直した。『米国人か、韓国人か』という質問を絶えず受けなければならなかった。韓国社会への適応は『(韓国人のような)容貌』次第だというのが現実」と皮肉った。

--ずっと「単一民族」を強調した伝統のせいでないか。

「必ずしもそうではない。韓国文化を少し深く勉強してみると普遍性をどれくらい重視したか知ることができる。韓国は国旗にも国家の特殊性を前に出さず、太極のように形而上学的・普遍的意味を込めた国だ。また、高麗時代にすでに多文化の伝統と経験がある」

パストリッチ教授の最近の関心事は「ソウル」だ。ソウルの底力と魅力を紹介する本を準備中だ。「今はある国の文化でなく各地域の文化を強調すべき段階」としながら「フランスがプロバンスやノルマンディー地域などを独立的に前に出すように、梨泰院(イテウォン)や清渓川(チョンゲチョン)などの価値を個別に探ってみたい」と話した。

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◆エマニュエル・パストリッチ=エール大卒業後、東京大・ハーバード大で修・博士学位を取得した。イリノイ大東アジア言語文化学科教授、ジョージ・ワシントン大歴史学科兼任教授、又松(ウソン)大ソルブリッジ国際経営学部教授を歴任した。韓国海外広報員公式オンライン新聞「Dynamic Korea」首席編集長、駐米韓国大使観広報院理事などを務めた。燕巌(ヨンアム)朴趾源(パク・ジウォン)の小説10冊を英語に翻訳した本(ソウル大出版部出版)も出した。

 

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