「韓国国家情報院改革のための10つの原則」 中央日報 2017年 3.月 15日”

中央日報

「韓国国家情報院改革のための10つの原則」

2017年 3.月 15日”

エマニュエル パストリッチ

 

 

憲法裁判所を不法査察したというデマが国家情報院を再びスポットライトの中心に追いやった。今回は情報機関の改革が政争のネタや扇情的な記事のネタではなく国家安保の主題に浮上しかねない。われわれは情報機関が信じるに値する正確な情報を立法者と市民に提供するよう作った方案を大乗的に点検しなくてはならない。「偽ニュース」のような、わい曲された情報が横行しているインターネットジャングルの時代に、政策安定性を確保して扇情主義的なメディアに対する役人たちの依存度を減らすには、もっと正確で客観的な情報ソースが必要だ。

容易ではない改革のための原則がいくつかある。1つ目、最高の人材が当面の政治的利益よりも実際の挑戦に立ち向かうべきだ。米国は、9・11テロ以降、莫大な資金を情報分野に注ぎ込んで画期的な発展を収めるかのように見えたが、間もなく質的な低下が発生した。情報分析の核心である「人間」が軽視された。政界の目を引きつけたのは数十億ドルのプロジェクトに含まれたコンピュータと人工衛星だった。コンピュータ技術力も重要だが、韓国はコンピュータが人間を惑わすがままにしておいてはいけない。

2つ目、経済的・技術的変化が韓国をどのように変容させるかを歴史性のある洞察力で把握する分析家が必要だ。データ分析で世界動向に対する洞察を提示できる人が大勢必要だ。彼らはしっかりとした人文学・文学・歴史・哲学知識で武装しなければならない。役立つ情報は意味ある情報だ。めまぐるしい技術発展が社会の本質を変えている。静的モデルから脱し、未来学の観点をもっと導入しなければならない。

3つ目、外国情報パラダイムから抜け出して韓国の豊かな歴史経験を利用しなければならない。朝鮮の春秋館は500年余りの間、膨大な社会データを文句のつけようがない客観性で分析し、最高級の歴史記録を残した。

4つ目、他の国々の統治・政治・経済体制が今後も同じように機能し続けると想定してはいけない。政策決定過程の変化は目まぐるしく進む。韓国の情報モデルは変化を先制的に予想する措置を取らなければならない。

5つ目、機密入手ではなく創意的で先見の明があるデータ解釈で、世界各地で起こっている出来事を持続的に予測することが核心情報活動だ。今後ますますその必要性は高まる。

6つ目、情報機構内における若者・女性と多文化韓国人の役割を向上させなければならない。若者で構成された複数の個別チームを創設するべきだ。チームが正確性を目指して、新鮮な見方を手段に競争させることが必須だ。革新モデル樹立を奨励するには、止むを得ない失敗に対して寛大でなければならない。

7つ目、ある国や地方の政治・地理・歴史に精通している人材が必要だ。中国・米国専門家だけでは不充分だ。広西やイリノイについての専門家も必要だ。国家を越えたグローバル情報モデルも必要だ。経済・政治は本質的に超国家だ。すでに国・地域を越えた類類相従連帯が結成されている。グローバル韓国には中央アジア・アフリカに対する専門性も必要だ。

韓国の最も大きな弱点は地域専門家の養成に失敗したことだ。政治の風に乗って成功する「一般専門家(generalist)」が非常に多い。長期的に特化した専門性を発展させる専門家たちを養成しなければならない。彼らは政治の人脈ではなく、ひたすら業務効果性で評価されなければならない。

8つ目、北朝鮮自体にフォーカスを合わせた情報活動から抜け出そう。超国家化している北朝鮮の脅威は常識に逆らい、より拡張されたネットワークの一部分へと進化している。

9つ目、上位序列的な文化を克服しなければならない。韓国の分析家は外国を分析する時、最高指導者や長官の動きに集中している。だが、今日のネットワーク社会では、ますます政策が准将や次官、政治コンサルティング会社、臨時特別グループのような下位水準で決定されている。国家情報院はこのような変化を反映するために、融通をきかせてモデルを見直さなければならない。他国政府が自国に対して流す「神話」を信じるのは根本的な誤りだ。どこの政府で何が起こっているのかを知る最善の方法は、膨大なデータ収集ではなく、想像力を動員して可能なシナリオを6~7つ出すことだ。その次にデータで最上のモデルに到達するまで可能性の薄いものを除去していけばいい。

最後に、情報は極度に深刻な分野だが芸術の側面もある。固定観念を脱したモデルを作るには創意親和的な休息空間が必要だ。文を書くことや演劇公演のような楽しい活動が創造力を豊かにする。

私は6年前、韓国生命工学研究院(KRIBB)の研究プロジェクトを進めた。予算不足にもめげず、韓国固有の強みを発揮できるということを知った。KRIBBは特定バイオ技術分野のグローバルリーダーではないが、あらゆる医学研究分野の専門家が一堂に会している。数分以内に他分野の専門家と相談することができる。このような異例的な環境は、シリコンバレーやマサチューセッツ工科大(MIT)にもない。KRIBBモデルで韓国情報分野を向上させることができる。

 

 

 

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